あきらめる勇気

俺は過ぎたことを思い出して悔やむことがよくある。あの時あーしとけばってね。なんて女々しいことかと自分でも思うのだけど、どうしても考えてしまうときがある。また、ふとしょーもないことで悩んで落ち込んでしまうときもよくある。どうしようかどうしようかと考える。このような時、初めから結論は知っている。そして悩んだあげくいつも通り同じ結論に至る。


「考えても仕方が無い。」


よっぽどストイックな人間で無い限り、自分がつらくなるのは避けたいだろう。あの時あーしてればこんなつらい思いしなくて良かったと後悔したり、これから何をしたらつらい思いしなくてよくなるのかな、と無益な想像を巡らしてみたりする。先ほども言ったようにこういった悩みは往々にして「考えてもしかたがない」という結論に至ってしまう。


でもだからといって、そんなこと考えるのは良くない。時間の無駄だ。という訳でもないと思う。


こういった心の病を治すために第一に必要なのは諦める勇気を持てるようになること。悩んで胃の辺りがもやもやして嫌な気持ちになり、その問題でいつもの結論に至るには、あきらめる勇気が必要。これが意外と難しく、自分がつらい思いをすることを受け入れられないと、この勇気を持つことは出来ない。自分の過去の行いで、現在つらい状況に陥ってしまった、もしくはこれからつらい状況に陥ってしまうかもしれない。そんな考えても仕方ない悩みの解決には、諦める勇気が必要。このあきらめる勇気を持ち、現状はしゃーないとしてこれからどうしようかって思えると少なからずスッキリした気持ちになる。


そして次に必要になるのは反復だと思う。性懲りも無くまた同じことに悩んで、再び同じ結論を導きスッキリする。そういう一見無駄なプロセスと思われるようなことを繰り返しているうちに、心の傷は癒えて行き、人は強くなっていくんじゃないだろうか?高熱が出て、薬を飲んでちょっと熱が下がり、治ったと思った頃にぶり返しがきてまた薬を飲む。そういうのを繰り返しているうちに本当に熱は下がり、また日常生活に戻ることが出来る。心の病も一回で治るのではなく、何回も治療していくうちに次第に良くなる。そしてまた人は日常に戻っていくのだろう。