逆境の中で見つける自分

最近相変わらず自分がどんな仕事に就きたいんだろうってことを考えるふりをしてる。実家に帰ったとき本屋に立ち寄り、そこで姉が本を買ってくれるということで「99の至言に学ぶジンセイ論 働く理由」といった啓発本を手にとってみた。中には詭弁にも思えるものがあるが、心が動かされる内容もあり、なかなか気に入っている。


いつもこんなこと言ってると病んでるのかと思われるかもしれないが、先人達の言葉から、人生の方向性を決める手がかりとなる何かを見つけることが嫌いでない。これまで自分の頭で考えようとせず、人生を誰かの敷いたレール上(それは両親の敷いた物でもあれば、塾や学校の先生の敷いた物でもあった)で生きてきた俺らしいことと言えば俺らしい。しかし俺のような凡人が、それなりに豊かな人生を歩むために、先を生きていた非凡な人たちの考え方を参考にすることはそこまで悪いことだろうか?いつまでも自分の頭だけで方向を決められず、自分以外のモノに方向を決めてもらおうとする自分に自己嫌悪を抱きつつも、これまでと違い、周りの人に相談して決めてもらっていない分、少しは成長してるんだろうと自分を納得させてみる。


さて、そんなわけで例によって、この本の中で気に入ったフレーズを紹介してみようかと。今回紹介する言葉は、激動って訳じゃないけど、自分の平凡な人生にしては身の回りで色々なことがあった今年度、自分でもぼんやりと考えていたこと。そして以前にも同じようなフレーズを聞いたことはあっても、自分の経験を元に、確かにそうだなって初めて共感したこと。

「行き詰まりは展開の一歩である。」


(前略)毎日の生活が順風満帆に進んでいるとき、私達の意識は自分には向けられない(中略)。ところが、何らかの逆境に立たされたとき、(中略)自分の意識は自分に向かう。(後略)


自分自身今年度は諸事情あって精神的につらい状況に追い込まれることがあった。その時に初めて自分という存在はどんな人間で、どんな至らないところがあるのかという反省をしたり、自分の置かれている環境がどれほど恵まれているかなど、自分の身の回りにも目を向けるようにもなった。その反省をもとに自分の生活スタイルを見直すことが出来て、人間として以前よりも少しは大人になれた気がする1年間であった。(中にはこれをお前はつまらなくなったと表現する人もいるが笑)


だから人間というものは、自分という存在について考えるとき、大体は逆境に立たされた時のほうが自分と向き合えるわけなので、どんな仕事を「したいのか?」で考えるのではなく、自分はどんな仕事を「したくないのか?」で考えたほうが実感が湧きやすい。そしてその裏返しで自分のやりたい仕事を見つけるのも一つの手だよってことがこの本には書かれていた。


就職活動だけでなく、人生のどんな場面にも使えるこのフレーズを忘れずに、現在の状況の如何に関わらず、ふとした時間に今の自分に向き合うことは大切なことと言えるだろう。